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ファンファーレ!に感じる死の匂いについて

 

前回のブログで
『JUMPのファンファーレ!に感じる死の匂いについて久々にブログ書きたくなったんですが、あまりに久々すぎて息切れしそうなので、その前の準備運動的に関係ないブログあげとこうと思ったのでした』
とか言っておきながらはや半年、ジャニーズ楽曲大賞2019でファンファーレ!が1位を取った(おめでとう!)こともあり、このタイミングを逃すともう書かなそうなので今書きます!

 

まず前提として知っておいていただきたいんですが、「ファンファーレ!」は山田涼介くん主演「セミオトコ」というドラマの主題歌でした。

 

www.tv-asahi.co.jp

これがどういうドラマかというと、日常に疲れたアラサー女性向け癒やし系ファンタジーブコメ、の皮を被った、ホラーヒューマンラブストーリー*1です。
ヒロインの大川由香さん、通称「おかゆ」さんというとことんついてないアラサー独身女性が山田涼介の姿になったセミと7日間だけの恋をするって話なんですけど、もう、全編通してずっと「死」がテーマになってるんですよ。


ひとつめ。おかゆさんとセミの出会い。おかゆさんは「うつせみ荘」というアパートの二階に住んでるんですが、ある夜に窓を開けて手すりにもたれかかってたら手すりが壊れて下に落ちるんですね。その真下には今まさに6年間こもった地中から這い出て羽化中のセミが。このまま落ちたらセミを潰して死なせてしまう、と思ったおかゆさんはとっさにセミを避けます。そして自分は他の住人に「自殺か?」と勘違いされたりします。この時点のおかゆさんは「生きててもいいことあんまりないなあ、それなら別に死んでもいいのかもなあ」と思ってる人なので。

ふたつめ。命を救ってもらった恩返しに魔法で人間になって*2おかゆさんの元にやってきたセミセミオくんは、セミなので、地上では7日間しか生きられません。その7日間をおかゆさんや周りの人たちと関わりながら大切に生きます。魔法で寿命が延びるとかなく、7日経ったら容赦なく死にます。最初の数日はこの世界に生まれ出てきた喜びを「なんて素晴らしい世界なんだ!*3」と高らかに歌うセミセミオくんは、次第に死ぬのが怖く悲しくなってきます。おかゆさんやみんなと別れる辛さを痛いほど感じながら、それでも乗り越えようとするセミオくん。なかなかセミオが死ぬことを受け入れられないおかゆさんと最後のラブシーン。そしてセミオくんは元のセミの死骸になりました…。その死骸を手のひらに載っけて泣くおかゆさん。ラブコメにあるまじきショッキングな展開。

 

みっつめ。うつせみ荘にはおかゆさんの他にもいろいろな人が住んでいるんですが、みんな「死」に触れたことがあります。 熊田美奈子ちゃんていう美少女だけは例外ですが、うつせみ荘大家姉妹である庄野くぎこさんねじこさんは弟を小さいころに亡くしているし、岩本春ちゃんマサさん夫妻は息子を亡くしているし、元外科医として多くの死を見てきただろう小川邦夫さんは自身も余命が僅かだと言います。また、おかゆさんの職場の先輩である桜木翔子さんも、夫と死別したシングルマザーです。


よっつめ。最終回終盤で、セミオのおかげで前向きに生きることができるようになった6年後のおかゆさんの姿が描かれます。お弁当工場で働き、うつせみ荘に帰ってきたおかゆさんの前に、再び土の中から出てきて羽化し、山田涼介の姿になったセミオが現れます。ここも特に説明がないので、人間に生まれ変わったとかではなくセミのままで、また7日後に死に、また6年後に現れるのを繰り返す可能性がすっごく高いです。なにそれ怖い! そしてもし人間に生まれ変われてたんだとしても戸籍ないし人間としての一般常識もないし職もない(山田涼介の顔面はある)…なんかハッピーエンドの空気を出してるんですけど、わたしは安心できないまま震えて寝ました。呪いだと思いました。

 

 

(同じ脚本家さんの「スターマン・この星の恋」との類似性についても語りたいんですけど脇道逸れすぎるのでやめます。でも興味のある方は調べてみると面白いと思います。スターマンもかなり生と死なドラマなので…。自殺した美青年福士蒼汰の中に宇宙人が入って代わりに生きて広末涼子と恋するけどえっ死ぬ危険が?みたいな話なので…。)(追記:ちなみに「泣くな、はらちゃん」も同じ脚本家さんで、別の世界の人外と冴えない女子が恋愛する文脈がセミオトコに近いと思います)

 

おわかりいただけたでしょうか。ファンファーレ!はこういうドラマの主題歌なんです。

前振り長くてごめんなさい。次からファンファーレ!の話をします!

 

Hey! Say! JUMP ファンファーレ! 歌詞 - 歌ネット

www.j-storm.co.jp※試聴ができるよ!

歌詞もメロディもとても爽やかで綺麗ですよね。好き。
でも公式サイト見るとわかるんですけど、

「――――人生はとても儚く切ないもの。けれどその世界は、出会いや別れ、そして愛や恋に彩られて、めいっぱい輝く。まるでファンファーレみたいに、華やかに。この夏、忘れられないほど切なく煌めく奇跡を紡ぐ」

って書いてあるんですよ。公式側も刹那だってことわかってるんですよ。つまりファンファーレとはあの夏の恋であり一瞬の輝きであり流星なんです。

歌詞の中にも「光」が効果的に出てくるのがわかると思います。

「照りつける陽射し」「Flash」「僕ら輝いて」「夕焼けに染まった」「世界を照らす」「太陽に」「お月様に」「Flashback」「夏の星座にこぼれ落ちる流星」

こんなにも綺麗な言葉で綴られたうたなのに、どこか不穏なのはなんでですかね?
たとえばこれがNEWSの一夏の恋ソングならウェ~イパリピー!秋になったから別れちゃったけど仕方ないね、次行こ!って後腐れない感じなんですけど、ファンファーレ!の別れって死別じゃないかと思うんですよ。めっちゃ引きずるやつですよ。重いよ。
だって泣いてるし…忘れられないとか忘れたくないとか忘れられないよとか、意味深だし…もういない恋人を想ってる…? それとも自分が死んでしまって、生きてる恋人との別れを悲しんでるのか…?

 

 

そしてMV見てますます思いを強くしました。
初回1付属のDVDにMVとメイキング が収録されてるんですけど、どこかセピア調のカットが何回も出てきて、ああこれは過ぎ去ったキラキラした夏の記憶なんだろうなって。この男の子はもういないのかなって。

海辺の消波ブロックの上を飛び渡りながらはしゃぐ中島裕翔。
竹林を歩いていき、ふとかざぐるまを手に取る山田涼介。大量の青いかざぐるまの吊るされた木のトンネルのようなもの、の中を通って微笑む山田涼介。
サングラスを外し、乗ってきた車から降りて海を眺める髙木雄也。
金魚すくいで捕ったのであろう金魚を金魚鉢に入れる薮宏太。
夕焼けに染まる海辺の橋の上、水平線を指さす伊野尾慧。
縁側、風鈴の下、かき氷を食べ、ラムネを飲む有岡大貴。
船の側で自転車をこぐ知念侑李。
ストローを挿したソーダをこちらに差し出し、ウクレレを弾く八乙女光
砂浜を走る8人。花火をする8人。紺色の闇の中で輝いては消えるオレンジの火。
アイテムにどこか死の気配を感じずにはいられないんですよね…考えすぎかなあ。


 

 

大丈夫?

君たち生きてる???

 

 

 

いや~もうこんなの…あまりにも死を連想してしまう…。
多分海で死んでるんですよ。海じゃなくても夏の間に死んでるんですよ。病気か事故か、不慮の死。それでMVは死ぬ前の思い出なんですよ。もしくは死んだけど夏だけなんかの奇跡で生き返ってすぐまた死んじゃうまでの思い出なんですよ。避けられない別れが来ることを知っている刹那の煌めき…。風 is I?*4かな?
きっと祖父母の家が海辺にあって、毎年お盆の時期には遊びに行っていて、そこで仲良くなった男の子がいて。近くの山には竹林があって、竹林を行くと神社があって、夏はお祭りもあって。浴衣着てかざぐるま持って一緒に花火も見たよね、楽しかったね、あんなに楽しかったのに君は死んでしまったね…。そういう幻覚を見るタイプのMVです。

 

 

 

まああくまでこれは深読み大好きなわたしの個人的な意見なので、実際MV見てどう感じるかは人それぞれだと思います。

でもファンファーレ!は本当にとてもいい曲なので! 気になった方はこの機会に是非聴いてみてください! カップリングにはコンサートで披露しなかったことで成仏できない亡霊を大量発生させたメンバー2人ずつのユニット曲も入ってます!!

 

 

 

*1:ライブMCにて山田くんが記憶屋をこうジャンル分けした

*2:なんで人間になれるのかとかの説明は特にない

*3:ファンファーレ!の歌詞にも使われているフレーズ

*4:菊池風磨サマパラ2017