今日もありがとう

NEWSとKAT-TUNとハロプロ、ジャニハロDDヲタ、普段は二次元にいる

KAT-TUNのタイトル、NEWSのタイトル

 

 タイトルをつける、というのが苦手です。小説を書くときもブログを書くときも、いつもタイトルに困ります。

 それでこれがなんの記事かっていうと、タイトルにもあるとおり、主にKAT-TUNとNEWSの曲のタイトルについてです。タイトルまんまです。タイトルにセンスがないけどタイトルつけるの苦手だからしょうがないね。

 

 

 多分みなさんお気づきだと思うんですが、KAT-TUNの曲のタイトルはとにかく英語が多いです。26枚出ているシングルのうち22もの表題曲が英語です。あとは英語と日本語混合の『Love yourself 〜君が嫌いな君が好き〜』、そして完全に日本語なのは『僕らの街で』『喜びの歌』『不滅のスクラム』の3つしかありません。

 でももしかしたら英語タイトルが多いのはジャニーズ共通のことなのかもしれないと思い、他のグループのディスコグラフィーも見てみたんですよ。そしたら全然そんなことなかった。みんなちゃんと日本語のタイトルもいっぱいあるし関ジャニ∞にいたってはずらりと日本語タイトルが並んでた。こんなに英語タイトルしかないのKAT-TUNだけだった。

 

ちなみに見てみた結果は以下の通り。

SMAPは55枚63曲(両A面含む・以下同)中、英語20曲*1、混合5曲、日本語38曲。

TOKIOは51枚68曲中、英語23曲、混合6曲、日本語39曲。

■V6は45枚54曲中、英語32曲、混合4曲、日本語18曲。日本語より英語が多め。

KinKi Kidsは35枚42曲中*2、英語8曲、混合7曲、日本語27曲。圧倒的…日本語力…っ…! あとKinKiの日本語タイトルは長い。単語じゃなくて文章。

■嵐は49枚57曲中、英語32曲、混合5曲、日本語20曲。

タッキー&翼は16枚20曲中、英語7曲、混合3曲、日本語10曲。

■NEWSは20枚23曲中、英語9曲、混合3曲、日本語11曲。

関ジャニ∞は34枚40曲中、英語5曲、混合7曲、日本語28曲。漢字とカタカナの組み合わせが目立ちます。

Hey! Say! JUMPは15枚19曲中、英語10曲、混合2曲、日本語7曲。

Kis-My-Ft2は16枚20曲中、英語10曲、混合6曲、日本語4曲。

Sexy Zoneは10枚12曲中、英語5曲、混合7曲、日本語オンリーの曲はありません(5月発売の新曲「勝利の日まで」が初の日本語タイトル)。混合多いですね! これはこれで特殊だなあ。

 

SMAPより上の先輩方は対象外にしています。
A.B.C-ZジャニーズWESTはシングルが10枚に満たないので対象外にしています。
※アルファベットを英語、カタカナを日本語としてカウント。そのため「ダイナマイト」「ハロー」等は日本語、「KIBOU」「Sakura」は英語、などのようにカウントしています。

 

 

 

そして一口にタイトルと言っても、そのつけかたには色々あります。あくまで独断と偏見に基づくざっくりとした分類ですが、こんな感じ。

【その1】曲中にあるフレーズをそのまま持ってきてタイトルにする

 一番オーソドックス、王道です。KAT-TUN『Keep the faith』『DON'T U EVER STOP』、NEWS『紅く燃ゆる太陽』『TEPPEN』……、シングルの大部分がこれですね。『Love yourself 〜君が嫌いな君が好き〜』なんかこんなに長いタイトルなのに全部曲中で歌われてます。サビで繰り返される言葉を使うパターンが多いですが、たまに一度しか使われていなかったりする何気ない部分から持ってくることもあります。『チェリッシュ』みたいに独立したラストフレーズは、タイトルをチェリッシュにしたくて最後にぽんとフレーズをぶっこんだのか、どこかにチェリッシュという言葉を使いたくて歌詞に入れてみたらタイトルとしてもしっくりきたのか、タイトルと詞のどっちが先行なのか気になる。『LIPS』は歌詞にフレーズはあるものの、サビ部分の「Lips」は読み方が「くちびる」という変則型です。

 

【その2】曲中にあるフレーズを一部アレンジしたり組み合わせてタイトルにする

 KAT-TUN『Real Face』『僕らの街で』、NEWS『希望~Yell~』『さくらガール』なんかがこれです。こちらも選ばれるフレーズは概ねサビ部分など曲中に頻出するもののようですが、『不滅のスクラム』の「不滅」があっさり歌われてるように、えっAメロで一回しか出てないそれをピンポイントで!? っていうのもあります。

 

【その3】曲中にある日本語のフレーズを英語に変換してみる

 KAT-TUN『WHITE』、NEWS『weeeek』など。WHITEには「白く」という歌詞がありますし、weeeekでは日月火水木金土と一週間が繰り返されています。

 

【その4】歌詞を総括してタイトルにする

 曲中にタイトルと同じフレーズは一切ありませんが、これはこういう歌なんだよ!! という主張と熱意がタイトルから感じられる場合です。KAT-TUN『喜びの歌』、NEWS『WORLD QUEST』などでしょうか。止まらねぇと叫ぶ歌のどのあたりが喜びの歌なのか全然わからなくてもタイトルが喜びの歌である以上誰が何と言おうと喜びの歌なのです。

 

【その5】インパクトを重視

 その1と同様に曲中のサビで繰り返されるフレーズを使ってはいるんですけど、インパクトのためだけにそれ選んだろ!? って確信を持って言える曲です。もうおわかりですね。そう、NEWS『チャンカパーナ』『ポコポンペコーリャ』そして『チュムチュム』です。

 

 

 

 わー。シングルのタイトル一つにしてもグループのカラーって出ますね!!

 それにしても、こうして改めてまとめてみると、タイトルをつけるコツのようなものがわかった気がしてきます。次の記事はきっとこの経験を活かし、お洒落でハイセンスなタイトルをつけることができるに違いありません。

*1:$10はここに入れました

*2:Glorious Daysは除く

また今日も堂本光一を救えなかった

※この記事には一部ショッキングな、というかSHOCKのネタバレが含まれています。

 

 

 

 男がその依頼を受けたのは寒さも極まる2月のことだった。指定したバーに指定した時間ぴったりに赴くと、カウンターにはすでに一人の女が座っていた。他に客の姿は見当たらない。妙に思いつめた顔をした彼女こそが依頼者だった。男は女の横に座ると、馴染みのマスターにSweet Martiniをオーダーした。女の泣き腫らした目とおざなりに直した化粧が、落ちついた照明の中でもよくわかった。カクテルグラスが置かれる前に、男は沈痛な面持ちで、女に茶色いB5封筒を差し出した。

「報告書と、お借りしていた写真です」

 女は確認するように封筒を開けた。中にあった写真には、王子のような煌びやかな衣装を纏った、王子のように整った容貌の男性が写っていた。男性の名は堂本光一。1979年1月1日生まれ37歳、ジャニーズ事務所所属、KinKi Kidsのメンバーである。

「調査の結果、あなたの仰るとおりの現象が確認できました。彼は――――堂本光一は、死に囚われている。そうとしか思えない」

「こんなにたくさん」

 ぶ厚い報告書を読み進める女の目からは新しい涙がぼろぼろとこぼれ落ちていく。

「ああ、やっぱり彼は、何度も死に、蘇り、また死ぬ、そのループから抜け出せずにいるんですね……!」

「残念ながらそのようです。しかしまさか、これほどとは思いませんでした」

 そう言って、男は自分が書きあげ、今は女の手にある報告書の中身に思いをはせた。好奇心で引き受けた仕事だったが、調べるうちに恐るべき事実が浮かび上がっていき、男を戦慄させたのだった。

 

 初めは、そう、『人間・失格~たとえばぼくが死んだら~』という、もうタイトルからして不吉でしかないドラマについてだ。このドラマにはKinKi Kidsの二人がそろって出演していた。そして堂本剛は壮絶ないじめのすえ死に、堂本光一は自殺を図り昏睡状態に陥り、その後かろうじて一命はとりとめたものの、精神に退行をきたし幼児も同然になってしまう。彼ら以外の周囲の人間たちも殺したり殺されたりした。彼に手を伸ばす死神の存在を感じとり、男は思わず自分の後ろを振り返った。

 

 彼の行くところ、常に死がつきまとっていた。調べるほどに男の確信は深まっていった。『家なき子2』で堂本光一は燃え盛る屋敷の中で焼死する。周囲の人間も殺し殺され大勢死んだ。『銀狼怪奇ファイル』では彼の内にある二重人格のうち、片方の人格が消失=精神の死を迎える。周囲の人間は当然のように大勢死んだ。『若葉のころ』ではまたしても死にかけて昏睡状態に陥る。もちろん周囲の人間は死んだ。『勇気ということ』では事故にあって死にかけ下半身不随になり、『僕らの勇気 未満都市』では彼自身は生き残るものの周囲の人間は次々続々死に、『ハルモニア この愛の涯て』では死を覚悟したが死なずも周囲の人間が死んだり死にかけたりやっぱり死に、『天使が消えた街』では撃たれて死にかけ、言うまでもなく周囲の人間は死に、『リモート』も『天才探偵ミタライ』も『陰陽師』も、周囲の人間はこれでもかと死んで死んで死にまくった。『スシ王子!』ですら、人が死んだのだ。こんなコミカルなタイトルの作品で人死にを出せるのだからその死神ポテンシャルは常軌を逸している。金田一一を演じた堂本剛と合わせて、いったいどれだけの数の死を撒き散らしたのか。もはや呪われているとしか思えないのでお祓いに行った方がいいのではないだろうか?

 

 男は濃い死の匂いを振り払うかのように頭を振った。続いてパソコンに『昨日公園』と打ち込む。自分の周囲の人間が死に続けることに気付いたのか、堂本光一は、親友の死を回避するために時をループし何度もやり直すようになった。しかし何度繰り返しても結局親友は死んでしまうどころか、被害に巻き込まれる人間が増えていく。彼は絶望し、全てを諦めループを停止した。親友ただ一人が死に、繰り返すことのない日常が戻った。しかし数年後、今度は彼が、親友と同様に幾度ループしようとも逃れられない死の運命に捕まってしまうという悲劇的な結末を迎える。

 ダン、と机を叩く音が部屋に響いた。男は今や怒りすら覚えていたのである。この世界は堂本光一になにか恨みでもあるのか、一人の人間にあまりにも過酷な運命を背負わせ過ぎじゃないのか。誰か彼を救ってくれ。誰も死なない穏やかな暮らしを送らせてやってくれ。こんなだから愛のかたまり心中バージョンだなどと言われるんだ。

 

 男はパソコンに向き合い、報告書の最後の仕上げにかかった。しかし、依頼者は堂本光一が死と蘇生をかなりの回数繰り返しているのではないかと疑っているようだったが、実際に死んだのは二度だけのようだ。さしずめ、『堂本光一は二度死ぬ』と言ったところか……。そんなことを考えながら、Wikipedia堂本光一のページを確認し直す。

 

 ――――いや待て。

 恐ろしい見落としをしていることに気付き、男はぞっと背筋が冷たくなるのを感じた。PC画面には、堂本光一のライフワークと言ってもいいある舞台のタイトルが燦然と輝いていた。SHOCK。男は過去に何度かEndless SHOCKを見たことがあった。そうだ、舞台の上で、堂本光一は死ぬ。死ぬのだ。男は世界に問いかけたい気持ちでいっぱいだった。なんで光一すぐ死んでしまうん?

 男はガチガチと歯を鳴らし、震える手で電卓の数字を押していった。2000年に始まった舞台『SHOCK』は、2005年にシナリオを大幅に一新する『Endless SHOCK』へと変わった。『Endless SHOCK』の各公演日の中で、堂本光一は生きて、そして死ぬ。つまり、2005年から2016年の3月31日まで、10年以上死に続けていたことになる。二度死ぬどころではない、76公演、+、76公演、+、81公演、+……実に1150を超える数、生と死を繰り返している。なんという精神力だろう。常人なら気が狂うのではないか、と男は電卓に表示された数字を見つめた。さらに恐ろしいのは、『Endless SHOCK』が間違いなく素晴らしい舞台であるということだ。

 

 

「……飲まないんですか?」

 女の声に、男ははっと我にかえった。カクテルグラスには酒が手つかずのままになっている。

「随分考え込んでいらしたみたい」

「いや……ええ、そうですね。Endless SHOCKを観たときのことを思い出していました」

 女は赤い目もとのまま微笑んだ。

「わかります。彼にもうこれ以上死んでほしくない、そう思う気持ちは本物なのに……また来年もSHOCKが観たい、チケットを取ろう、そう思ってしまうの」

 

 堂本光一は死ぬ。死に続ける。

 彼を愛し、彼の舞台を愛する人間がいる限り。

 

 

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そろそろ怒られるんじゃないかと心配です。 

 

 

風間くんには前科がある

「僕ね……前科が27犯くらいあるんですよ」

 男は微笑いながらそう明かし、わたしは言葉を失くした。
 27? たった一人の人間がそれほどまでに罪を犯すことができるものだろうか? だがしかし、男――――風間俊介の柔和な面立ちには、まさか、と一笑に付すことのできない狂気にも似た翳りがあるのも事実だった。これまで一体どれだけの闇に身を落としてきたのだろう。常人には計り知れない何かを、彼は持っているに違いない。興味をひかれた私は、彼の『前科』について調べてみることにした。だが忘れてはならないのは、深淵をのぞくとき、深淵もまたこちらをのぞいているのだ。

 

 わたしが持つ資料とは概ねWikipediaである。あの中丸雄一もTEN-Gのことを調べるのに利用したと言っていた、便利なフリー百科事典だ。Wikiに載っていないもの、載っていても足跡を追えないものに関しては曖昧なまま進めるがご容赦願いたい。

 

 Wikiによると、どうやら風間俊介の初めての『罪』は、およそ18年前にさかのぼる。なんということだ、そんなにも昔から、彼は犯罪に手を染めていたというのか。わたしは震えすら覚えながら、Wikiに書かれた文字を指で辿った。それとともに、自らの記憶が掘り起こされるのをはっきりと感じることができた。そう、わたしは彼の罪を知っている。この目で確かに見たではないか。

 

 現在30を越えた彼も、当然ながら18年前はまだ幼い少年であった。 そんな彼がどのような罪を犯せたというのか? その通り、少年は罪を犯していない、犯したのは、少年が成長し、青年となってからである。風間俊介は成長しユースケ・サンタマリアになった。何を言っているのかわからねーと思うが催眠術だとか超スピードだとかじゃなく事実である。とにかくユースケ・サンタマリアになった風間俊介は、『眠れる森』の中で、親友である木村拓哉の恋人であった本上まなみを色々あって横恋慕の末に殺し、そのことを木村に暴かれると、木村の目の前で投身自殺をして心に深い傷を刻んだのだった。これが第一の犯行、最初からかなりのコンボを決めている。なかなかできることではない。

 

 第二の犯行はそれから約1年半後に起きた。彼は中学三年生であった。ついでに言うならB組であった。前回の罪が影響を及ぼしたのだろうか、彼はそれはそれは屈折した心の持ち主になってしまっていた。優等生の仮面をかぶり、その実、裏で相当の悪事を働いていたらしい。しかし、そんな彼にも救いの手が差し伸べられ、自体は収束を迎えるかに思えた。だがそうは問屋が卸さなかった。なぜか? それは彼が風間俊介だったからかもしれない。彼は包丁を手にした母親を止めようとして揉み合いになり、逆に刺してしまったのである。ただ、故意ではなかったため大きな罪には問われなかったのが不幸中の幸いだろう。

 

 ここから数年、彼の犯行は一度止んだかに思われた(あるいはわたしの知らないところで秘密裏に行われていたのかもしれない)。次に確認できたのは、『熱血かあさん事件簿2』とやらだった。久しぶりに姿を現した風間俊介がそれまでどこにいたかというと、なんと少年院だという。すでにやらかして入っていたのである。さすが風間俊介、と唸らされた。しかしよくよく話をきいてみると、女の子を悪漢から助けようとした結果、悪漢の持っていた金属バットを奪い、逆にボコボコにしてしまった、と、そのためであるらしい。わたしが知ることのできたのはその程度だ。これはいささか拍子抜けである。考えてみれば第二の犯行もほとんど事故と言っていいし、本当は彼はやはり、心の優しい青年なのではないか? 第一の犯行が凄惨なものであっただけに、わたしの目が曇っていただけではないのか? そうだ、きっと前科27犯とは大げさに言っただけなのだろう。

 

 しかし二年後、再び事件は起きる。『その男、副署長』にて、風間俊介は包丁を手にコンビニに立てこもった。包丁にはすでに血がついており、風間は凶器をたてに、コンビニ内の商品であるビールを勝手に飲むなど傍若無人にふるまった。もちろん彼は逮捕され、前科が増えることとなったが、しかしこれにも訳があったのである。彼は人を殺してしまった父親をかばおうとしたにすぎなかったのだ。まあ、だからといってコンビニ強盗が許されるわけではないのだが。

 

 そして、最初のインパクトほどの犯罪はないな……と思っていたわたしは、次の事件でようやく彼の狂気の片鱗に触れることとなる。『交渉人スペシャル』の風間俊介は、米倉涼子を銃撃し、女性を拉致し身代金を要求し、人質を取って金を強奪しようとし、それを止めようとした人間も銃で撃つ、まごうことなき犯罪者であった。これだ! わたしが求めていたのはこれだったのだ! どこから見ても文句のつけようのない立派な前科である。

 

 さらに二年後、風間俊介は『LADY』の中で二人の人間を殺した男として、指名手配になっていた。受験失敗のストレスなどから、ネットゲームで知り合った人間を刺し殺していたのである。記憶障害により自分の過去の記憶を失っていた彼は、主演の北川景子にも殺意を向ける。しかし――――直後、風間は別の人間によって拉致され、無残に殺されるのだった。

 

 一度殺されたからだろうか、ここから彼の犯行頻度は増し始める。『それでも、生きてゆく』にて、風間俊介は、幼い少女を殺した少年Aとして蘇るのである。人の痛みがわからず、殺人衝動を抑えられないサイコパス。少年院から出た彼は、しかしその後も、共に暮らしていた女性をわざと流産させたり、自分を慕う幼女を殺したいという衝動に襲われたり、別の女性の頭を金槌で殴ったりなどの凶行に及ぶ。なんたる悪。

 箍が外れたように犯罪を繰り返す彼に、わたしは妙な高揚を覚えていた。さすが前科27犯だ。こうでなくてはつまらない。

 

 間をおかず次の犯行は行われた。『妖怪人間ベム』の中の風間俊介は、人を襲ってはペイント弾を投げつける、妖怪より妖怪らしい心の持ち主になってしまっていた。その心の弱さにつけ込まれ、利用された彼は、犯行をエスカレートさせる。ペイント弾ではなく、鉄パイプを使って、襲った相手を意識不明の重体にまで至らしめてしまうのである。

 

 そろそろ疲れてきたので巻こう。『理想の息子』では卑怯な手を使い対戦相手たちを闇討ちする最低男である。『救命病棟24時第5シリーズ』では、医者を目指すものでありながら、バイト先の病院から睡眠薬を盗んで持ち出していた過去があった。『ダンダリン』、竹内結子と敵対し「死んでもらいたい」とまで言い放つ。竹内結子を陥れるために策を弄するが、逮捕まではされなかったようである。もはやこの程度の犯罪では驚きもしない。生温い。もっと前科をよこせ!

 

 そこへ朗報が飛び込んできた。『ドラマスペシャル 刑事』である。風間俊介は刑事を殺して拳銃を奪い、ゴールデンレトリバーを殺し川に投げ捨て、ゴールデンレトリバーの飼い主もすでに殺しており、なんと詐欺事件の黒幕でもあったのだ。その後、犯人であると疑われ追い詰められた風間は、逆に刑事の一人に銃を突きつけ人質に取るという行動に出る。まさに犯罪のオンパレード!

 

 

 そして、今度風間俊介がゲスト出演することが決まっている『99.9』であるが――――彼の役柄は殺人犯だという。一体どこまで前科が増えるのか。これからも彼の活躍を見守っていきたい。

 

 

 

 

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こんなこと書きましたけど、心優しい善人の役の彼も好きですよ…! 信じて!

欅坂46のサイレントマジョリティーがめっちゃ怖い

初めにお断りしておくと、わたしは48・坂道関連グループにまったく詳しくないです。あと該当グループの女の子たちを貶める意図はこの記事にはまったくないです。

 

CMで耳にして気になって誰の曲なんだろうおそらく48だか系列のどこかのグループだろうな…と思っていた曲が、欅坂46のデビュー曲『サイレントマジョリティー』だということを先日知りまして、それからしょっちゅう公式MV動画をエンドレスリピートモードにしてPC作業中に聴いています。

 

www.youtube.com

※4月6日発売なので、動画は4月5日までの限定公開らしい

 

ハロプロ歌唱に慣れた耳には、サビのラストがなんだか惜しい、あともうちょっと、最後の踏み込みが足りない! せっかく100点まで行ける素質があるのに85点で止まってしまってもったいない! ってもどかしい感じがなきにしもあらずなのですが、でもわたしこのメロディー好きです。好きだからリピートしちゃってるんだろうと思います。ブログの下書き中も延々とイヤホンから曲が流れてます。

 

 

ただこの曲、めっっっっっっちゃ怖くない?

 

メロディーだけを流して聴いていた耳が、何度も曲を繰り返すにつれ段々と発音を拾いだし、単なる羅列でしかなかった音の粒を次第に繋げて、意味を持つ言葉として聞き取り始めるようになる……

と、気付いてしまうわけです。歌詞の内容に。

そこでそれまで「聴く」だけだった公式MV動画を、ようやくきちんと「見て」みました。そして見た後にもう一度、今度は歌詞を読みながら曲を聴いてみました。

 

なにこれ怖い。

 

別にMVにホラー要素があるわけでは全然ないんですよ。かわいい女の子たちがかわいい衣装着て並んで踊って歌ってる、普通のアイドルMVです。

歌ってる欅坂の女の子たちはもちろん普通のかわいい女の子たちで別に貞子のように恐ろしげだったりしません。

歌詞だってそれ自体が怖いわけじゃないんです。若者に向けた普通の応援ソングです。

 

普通です。

ひとつひとつの要素は本当に『普通』なんです。

でもそれが全部そろうと、途端にぞっとするものになっちゃうんです。

なんでかっていうと、『欅坂46の女の子たち』にこの歌を歌わせる悪趣味さに思い至ってしまうからだと思います。

 

サイレントマジョリティーの歌詞はこんな感じです。

サイレントマジョリティー - 欅坂46 - 歌詞 : 歌ネット

 

これのなにが怖いの? って疑問にお思いの方も多いでしょう。

怖くないよ。

これをたとえば爽やか系バンドが歌ってたりすれば全然怖くないし、シンガーソングライターが歌っててもやっぱり全然怖くないし、ソロアイドルが歌ってても多分怖くないと思う。

でも秋元康にプロデュースされている欅坂46というアイドルグループの歌だと思うと怖いよ。

 

だってこの歌は「似たような服を着て似たような表情で群れの中を歩くこと」に疑問を呈しているわけじゃないですか。「列を乱すなと言う人の目は死んでいる」わけじゃないですか。

でもそれを歌う欅坂46の女の子たち自身は「集団で同じ衣装を着て似たような表情で(わたし坂道系列には明るくないと言いましたけど、坂道系列の女の子たちはルックスレベルが高いという認識はあって、整った顔ってどうしても似た顔になりがちじゃないですか)揃った振付で踊ってる」んですよ。

でもって「大人たちに支配されるな」って歌う彼女たちアイドルは秋元康という大人や、ファンの大人たち(もちろん若者もいるでしょうけど経済的に支えるのは自分のお金のある大人のほうが多いでしょうし)に支配されてますよね?

それでもって「群れていても始まらない」「その群れが総意だとひとまとめにされる」と、歌詞は群れることに否定的な目線なのに、歌っているのは欅坂46というひとまとめの群れなわけじゃないですか。「ここにいる人の数だけ道はある」、でも今の彼女たちは全員「欅坂46」という道を歩いている状態ですよ。

 

それにこの歌、一人称が「僕」なんですよね。(そもそも秋元康プロデュースの女子アイドルは「僕目線」の歌詞を歌わされることが多いとどこかで目にしたことがありますが)

この歌は「僕」から「君」へ向けてのメッセージソングだけれど、メッセージを発信している側の欅坂46の女の子たちは「僕」の言葉を言わされてるだけで、「僕」ではないんですよ。

 

怖い!!!!

大人に搾取される少女の構図が透けて見えて!!!!

 

なんていうか、欅坂46の女の子たちが大人にいいように食い物にされてないか心配になる。できるなら傷つくことなくアイドルとしての夢を叶えていって欲しい。

 

わたしこれに近い感覚、前にも味わったことあるな、と思って、実はそれって乃木坂46の「制服のマネキン」を聴いたときなんですよ!

制服のマネキン - 乃木坂46 - 歌詞 : 歌ネット

恋愛を禁止されている女の子たちに「恋をするのはいけないことか?」って歌わせたり、制服を着た女の子たちに「制服を着たマネキンだ」って歌わせたり、そうしようって決めた人間はよっぽど性格悪いんだなと思いました。

 

 

だって「なにかを否定する歌を、今まさにそのなにかに属している人間に歌わせてお金を稼ぐ」のってよく考えなくても悪意の塊じゃないです!!??

 

 

なんかだんだん何が言いたいのかわからなくなってきましたが、まとめるとわたしはサイレントマジョリティーを何度も聴くほど気に入っているけど怖いと思っていて、でもそれは欅坂46の子たちにはなんの罪も責任もないことで、原因は秋元康を筆頭とした芸能界の大人たちのうすら寒さによるものであって、おそらくきっとサイレントマジョリティーは何十万枚も売れて大量のお金が動くんだろうけど、それが少しでも多く欅坂46の子たちに還元されればいいと思いました。

終わります。