読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

今日もありがとう

NEWSとKAT-TUNとハロプロ、ジャニハロDDヲタ、普段は二次元にいる

ピンクとグレーと二次創作その1

加藤シゲアキ先生、映画『ピンクとグレー』公開おめでとうございます。

12万部からスタートしたピングレがついに40万部を越えたことも本当におめでとうございます。

ますますのご活躍をお祈り申し上げます。

 

映画ですが、公開初日に友達と観てきました。座席が全部埋まってて熱気を感じた。

今目にしている箱の外側に目を向けるとまた箱がある、外に出たと思ったらそれも箱の中だった、そんな構造の世界が永遠に続くような、全部演技で全部虚構で、真実がなんなのかわからない不思議な映画でした。アイドルであるシゲが書いて、アイドルである裕翔が演じることで、余計に虚構と真実の境目が曖昧になる。そんなのができる条件がそろってる映画って稀有だよね。

みんな演技うまかったね! 裕翔頑張ってたし、そしてなんと言っても菅田くんと夏帆の演技力すげえな…て思いました。ほんとすごかった。才能の塊。

 

 

誉めるところは以上、

で、以下酷評注意です。

 

そうなの酷評なの! ごめんね!
忠臣蔵という原作をすさまじくぶっ壊したパイレーツオブザローニングこと47RONINを楽しく観られたわたしだから(絶賛レビューだって書けるよ*1)、ピングレもそうなる可能性もあるかなって希望を捨ててはいなかったんだけどやっぱりダメでしたごめんなさい!

先に断っておきますが、映画の技巧としての評価じゃないからね。仕掛けが優れているとか陳腐だとか映像が美しいとか見づらいとかカメラワークが凝ってるとか構図がつまらないとかそういう専門的な話じゃないし、さらに言ってしまうと、面白いとか面白くないとかいう話ですらないです。

 

なんかね、単純にストーリーが嫌いだったの! これピングレの実写どうこうじゃなくて、もしこのストーリーを本で読んだとしても嫌いって言うと思う! いやあ、ことごとくわたしの苦手なものを入れられちゃって困った! あの原作からこういうアレンジにしちゃうのかー。

 

つまりね、残念ながら監督とわたしは、ピンクとグレーにおける二次創作の解釈が合わなかったと、それだけの、そういう話です!!

 

 

ごっちのお姉さん、唯のコンテンポラリーダンスシーンからスタート。このとき1人だけ黒い衣装の唯、周りの白い衣装の女性5人、っていうのは選ばれた1通の遺書と選ばれなかった5通の遺書を暗示してもいるのかな、深読みしすぎかな?

 

で、ぶら下がったごっち(中島裕翔)の死体、それを発見してサリー(夏帆)に電話をかけ、大阪弁に戻っていることを指摘されるりばちゃん(菅田将暉)。

そんなりばちゃんの視点で、ごっちとの出会いからこれまでを振り返っていく。

 

ほんっと菅田くんの、コミュ障のオタクが無理してリア充と同じ土俵に立とうとしてキョロ充してる感じがすっごい上手くて心が痛かったです。髪型が絶妙にもさくて態度もおどおどしてて挙動不審気味ででも頑張ってはしゃいでムード作ってるつもりで空回りしてるの。痛い。つらい。(そしてりばちゃんに戻った裕翔はまんまその菅田くんだったのすごかった)
ごっちとりばちゃんは全然対等じゃなかった。りばちゃんはたまたま、本当にたまたまごっちという強烈な光と出会って人生が狂ってしまった凡人でしかなかった。誰もがりばちゃんに才能があるとは思っていない。ごっちでさえ。りばちゃんは最初から最後までごっちの添え物。引き立て役。
アヒルも毛虫も流星のエピソードもないから、ごっちのことを愛おしくて守りたいと思ってる優しいりばちゃんじゃないし、ファレノプシスはごっちが歌っちゃうから、ごっちのヒーローだった格好いいりばちゃんじゃないし、ダサいし情けないしいいところないし、ひたすらごっちへのコンプレックスで雁字搦め。そんなに辛いなら離れたらいいのにそれもできない、光にまとわりつく虫のよう。そうなんだ、りばちゃんがごっちの特別になるためのエピソードがことごとくカットされてるんだ! でもってりばちゃんがごっちの特別にはなれないエピソードはこれでもかと盛り込まれてる!
片想いの女の子を無理矢理押し倒す、レイプしようとする、芸能界で成功したいのに実力が伴わず失敗する、そのくせプライドだけは高くバーター仕事を断る、腐ってヒモ生活に突入する、仕事の面接も真面目に受けない、酒に逃げてアルコール中毒になる、情緒不安定で突然切れて暴力をふるいサリーを泣かせる、浮気をする、有名になった自覚がなく軽率に写真に撮られる、現実を受け止めずに逃げる。
そんなりばちゃんだからごっちもりばちゃんに全く重きを置かない。簡単に切り捨てられちゃう。

 

 

サリーは最初こそごっちの光に惹かれたかもしれないけど、ごっちのほうは全然サリーなんか目に入ってなくて、どうでもいい存在でしかなかったんだなって感じ。それならサリーが自分を見ていたりばちゃんとくっついてしまうのは当然の流れだと思う。まありばちゃんもりばちゃんで最低だったけどな! 映画のサリーは男勝りでサバサバした自分のある女じゃなくて、ちょっと流され気味のどこにでもいそうなふんわりした雰囲気の女の子だった。だからごっちがサリーを見なかったのも、これもまた当然の流れ。個人的にはサリーは映画のほうが好きですけどね! シゲの書く女がまっっったく好きじゃないので。

 

 

ごっちは――――シスコンこじらせた近親相姦野郎だったね!! お姉さんだけが全ての基準。あとは何も大切じゃない。りばちゃんと親友どころか友達だと思ってたかすら疑わしい。りばちゃんに対する思い入れとか執着とか一切感じられなかった。ごっちにとってりばちゃんは偶然近くにいただけで、その他大勢となんら変わらない。特別な存在ではなかった。そのせいで「じゃあなんでわざわざりばちゃんに自分のその後を託したのか?」の理由づけがちょっとぶれたなと思う。だって必要なかったよね。
ごっちの世界にはお姉さんしかいなかった。だからサリーがりばちゃんに襲われてるシーンを見ても笑って傍観していられる。あのシーンめちゃくちゃ怖くなかったですか? なんでいつまでも笑って見てるだけなのかすごく不思議だったんだけど最後まで見たら納得がいった。多分このごっちは両親でさえ特に大切に思ってなくて、だからあんなビデオ撮れちゃうんだし、お母さんもあんなビデオをりばちゃんに渡せちゃうんだと思う。これ見終わった後に友達と「あんな身内の恥みたいなビデオをどうして渡そうと思ったんだろう」「そうだね、どう見ても姉弟でできてる雰囲気じゃん」「普通隠すよね」「家庭崩壊レベル」「あれをりばちゃんに見せてどうしたかったの?」「どういう意図があったの?」「宮崎美子怖い」「病んでる」って色々話しました。狂気に満ち満ちていた。柳楽くんの圧倒的な存在感というかカリスマ性というか、出番自体は少ししかないのにその場の空気を全部支配してしまう感じ、映画のごっちとしては完璧でした。

 

62分後の衝撃自体は予想通りで全然衝撃でもなんでもなかったので、一応腕時計を見て「これだよな?」て確認しました。あの予告やっぱり失敗してない?

で、原作をなぞった(それも実はそんなにはなぞってないけど)62分が終わって、オリジナル展開に突入。

 

苦痛だった!!

バイオレンス! エロス! 芸能界の闇&病み! あの秘密クラブのおっぱい要るかな!?

シゲは3割~4割オリジナルって言ってたけど3割4割どころじゃなくない!? 原案:ピンクとグレー(加藤シゲアキ著)レベルじゃない!!!?

お前らお綺麗なピンクとグレーが好きだったんだろ? そんなもんぶっ壊してやる!! どうせ芸能界なんてなあ嘘と欲に塗れたきたねえ世界なんだよ!! というヒャッハーみを感じた。

りばちゃん全然擁護できないわこれはクズダメ男だわ…。サリー可哀想。りばちゃんじゃなくサリー目を覚まして。

そんで夏帆はすっごいすっごい、「みんな!エスパーだよ!」で汚れも上手いって知ってたけどすっごい。清純派もビッチも鮮やかにこなす演技力に脱帽。

www.youtube.com

EDはアジカンで正解でした。この世界観にNEWSだったらそぐわないにもほどがあった。もちろんJUMPでもダメ。暗殺教室はJUMPでいけるけどピングレはダメだ。NEWSはどうしたって属性が光なので、原作のピングレならともかく映画とはちぐはぐになる。

 

 

そんな感じで、「レイプ」「浮気」「性描写」「アル中」「DV」「突発的暴力」「クズ男」等々、(わたしが拒否した)傘蟻にはあって、(わたしが愛した)ピングレにはなかったはずの苦手な展開の波状攻撃を受けて、今わたしが見てるのは傘蟻のドラマじゃなくピングレのはずだったんだけどなあと思いつつ*2ライフがぐんぐん減っていってたわけですが、最後ね。

 

 

歩道橋の上、君の家の方角ではなく手の中のライターを眺めるりばちゃん。

 

 

 

 

――嫌な予感がした。

 

 

 

 

待って待ってちょっと待って、もしかしなくても次の展開って、

 

 

 

そしてライターを振りかぶるりばちゃん。

 

 

 

いや待ってダメお願いやめて、そんな願いもむなしく

 

 

 

 

 

歩道橋から道に向かってライターをぶん投げるりばちゃん。

 

~参照~

idolko.hatenablog.com

 

 

お前そのライター歩行者か車に当たったら大惨事だかんな!!!?

 

 

だから!! 決別を表現するのに安易に道にポイ捨てするなと!!

 

最後の最後までわたしの嫌いなシーン入れられて、わたしは満身創痍で映画館を後にしたのだった。

 

『これはわたしの観たかったピンクとグレーではない――――』

 

悲しい女の呟きが、歌舞伎町のネオン街に消えていった。

 

                            fin.

 

 

 

 

 

薔薇だって書けるよ―売野機子作品集

薔薇だって書けるよ―売野機子作品集

 

*1:薔薇だって書けるよ

*2:逆にその夜観た傘蟻ドラマ1話のほうが楽しめた